健康堂の症例NO439:50代後半 主婦 副鼻腔炎と花粉症からの嗅覚障害

2025/02/09

50代後半 主婦 副鼻腔炎と花粉症からの嗅覚障害


現病歴

患者さんは約1年前、副鼻腔炎と花粉症が悪化し、その後嗅覚がほぼ失われました。発症当初は鼻づまりや頭痛が主でしたが、治療でそれらが改善しても嗅覚が戻らず、耳鼻科で嗅覚障害と診断されました。ステロイド点鼻薬や抗アレルギー薬を試したものの効果は乏しく、「加齢による回復困難もある」と言われました。お花と料理が趣味で、特にその匂いがわからないことが大きなストレスとなり、「生きがいが奪われた」と感じていました。家族の勧めで鍼灸治療を知り、20245月に当院を受診。嗅覚の回復を目指し、通院を開始しました。

現症

初診時、嗅覚はほぼゼロで、花の香りやスパイスの匂いを全く感じられませんでした。味覚も影響を受け、料理の味が薄く感じられ、食事が楽しめない状態。副鼻腔炎の名残で鼻の違和感が残り、花粉症シーズンには症状が悪化していました。精神的には落ち込みが強く、趣味のフラワーアレンジメントや料理への意欲が低下。「家族に美味しい料理を作りたいのに」と涙ながらに訴えました。身体的には肩こりと疲労感があり、全身の不調も自覚していました。


鍼灸施術経過

2回の鍼灸治療を4か月間実施、現在も月に2回通院中。

初回は鼻周囲のツボと血流改善ツボを刺激し、副鼻腔の状態を整えました。

1か月半後(11回目)、かすかに花の香りを感じ始め、「久しぶりに匂いがわかった」と感動。

2か月半目には嗅覚が3割回復し、料理のスパイスが区別できるように。肩こりも軽減し、気分が上向きました。

3か月後、嗅覚が5割戻り、味覚も改善。

4か月後の20239月、嗅覚は7割回復し、花や料理の匂いを楽しめるまでに。家族からも「料理が以前の味に戻った」と喜ばれ、現在はさらなる回復を目指して治療を継続しています。


考察

副鼻腔炎と花粉症が引き起こした嗅覚障害は、発症から1年経過すると回復が難しいとされますが、本症例では4カ月の鍼灸治療で7割回復し、珍しい経過を示しました。鼻周囲への刺激と全身の調整が嗅覚神経の機能を活性化し、副鼻腔炎の影響を軽減したと考えられます。精神的ストレスの軽減も回復を後押しし、生活の質が大きく向上しました。耳鼻科治療で停滞していた状況に鍼灸が新たな突破口となり、発症1年での7割回復は注目すべき成果です。嗅覚障害に悩む方、特に趣味や生活に直結する症状の場合、鍼灸治療する価値があることを示します。現在も通院中で、さらなる改善が期待されます。