Medical content 診療内容 過敏性腸症候群と効果的な鍼灸治療
過敏性腸症候群
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過敏性腸症候群とは
腹痛や下痢・便秘などが続き、検査を行っても異常がない場合、過敏性腸症候群(IBS)の疑いがあります。主にストレスをきっかけに腹痛や腹部の不快感が起こり、排便すると解消するといった症状から、体質的なものとあきらめている方が多いのですが、治療で改善が見込める病気です。
過敏性腸症候群は、お仕事や学業への影響があるなど、生活に支障を与える症状が繰り返し起こります。できるだけ早く適切な治療を受けてください。 -
過敏性腸症候群の症状とは
「過敏性腸症候群」の症状は、大きく3つのタイプに分けられます。
下痢型
・急に激しい腹痛が現れ、その後下痢になる
・一日に何度もトイレに行く
・症状が強いのは通勤・通学の必要がある平日の朝起きてからお昼過ぎ頃までで、それ以降は安定することも多い
便秘型
・腹痛や腹部の不快感がある慢性的な便秘症である
・便は、うさぎの糞のようにコロコロしている
・排便するときに腹部が苦しくなることが多い
交代型
・下痢と便秘を繰り返す
その他、食欲不振やお腹の張り(腹部膨満感)、吐き気、おなら、頭痛などを伴うことがあり、男性では「下痢型」、女性では「便秘型」が多いです。
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「過敏性腸症候群」の原因
過敏性腸症候群を発症する原因は、いまだ明らかになっていません。
しかし、現在までの研究で次の3つのポイントが「過敏性腸症候群」の発生に深く関与していると報告されています。ストレス
強いストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
腸の過剰な運動
強いストレスのほか、不規則な生活習慣、暴飲暴食などによっても腸の運動が過剰になります。
腸の知覚過敏
ストレスホルモンや腸内細菌の変化によって、腸が知覚過敏状態を引き起こします。
過敏性腸症候群になりやすい人
ストレスにさらされやすい社会環境や性格的な問題が、主な要因となります。
・真面目な方
・感情表現が苦手な方
・うつ傾向のある方
・20代女性の方
・30~40代の働き盛 -
当院の治療
東洋医学では過敏性腸症候群下痢型の原因を、体の冷えと自律神経の乱れ(ストレス)と考えます。東洋医学の臓腑理論で、「脾」、「肝」と深く関わってます。
この原因に対して、まず鍼は全身のツボを刺激することで、血行を良くして自律神経を整えます。灸は熱刺激で身体の免疫力を高めて、冷えも取っていきます。その結果体質が改善して、胃腸が丈夫になり、刺激に過度に反応しない健康的な状態に変わります。
健康堂では、開業16年以来、数多くの過敏性腸症候群の患者さんはご来院され、施術を通して、症状が改善されました。
当院における鍼灸治療は東洋医学の脈診、腹診を行い、治療目標は体質を改善することによる根本原因の除去です。薬物治療のような対処療法ではありません。
そのため、鍼灸治療で改善できた症状は再発しにくいのが特徴です。
薬物治療により改善が見られない場合や症状を繰り返すような場合は当院の鍼灸治療をお勧めいたします。
生活習慣改善と再発防止
下痢や便秘といった症状は、食生活や水分補給、排便習慣、睡眠などにも大きく左右されます。そこで、症状に合わせて、生活習慣に関しても具体的なアドバイスをさしあげています。
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水分補給
便秘・下痢のタイプにかかわらず、水分補給はとても重要です。しっかり水分をとるようにしてください。ただし、下痢タイプの場合は、冷たい飲み物が刺激となって下痢につながりやすいため、常温か温かいものを飲むようにしてください。
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十分な睡眠・規則正しい生活
睡眠不足や不規則な生活はストレスになりますし、自律神経の働きに悪影響を与えます。また、朝日を浴びることは体内時計を正常に戻す作用があるとされています。早寝早起きを心がけてください。
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バランスが良く食物繊維豊富な食事
便秘・下痢のタイプにかかわらず、食物繊維を積極的にとることは便通改善に役立ちます。その他の栄養素もバランスよくとって、脂質や刺激物のとり過ぎは避けましょう。3食を決まった時間にとることも腸の働きを正常に戻すためには重要です。
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乳酸菌を積極的にとる
腸内細菌のバランスを整えるために、乳酸菌の摂取は役立ちます。ヨーグルトや納豆、漬物などを食事に取り入れてください。
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適度な運動
散歩やウォーキング程度の運動を週に3回以上、行うことを習慣づけてください。
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排便習慣
少し早起きして、水をしっかり飲んで朝食を食べ、自然な便意が起こったらトイレに行く習慣をつけてください。また、便意があったらできるだけ我慢せず、すぐトイレに行くようにしましょう。トイレではあまり長時間無理にいきまないようにしてください。
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控えること
過度な飲酒、脂肪や刺激の強い香辛料の摂取、喫煙は控えてください。
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