自動車保険なら任意保険を加入しないのは大丈夫なのか?!

2025/01/12

当院の交通事故の患者さんの中、自賠責保険しか加入してないケースがあります

いざ事故に遭った場合、本当に大変ですね

今日自賠責保険と任意保険の違いについて、お話できたらと思います

交通事故に遭遇した際、被害者への賠償は法律上の義務となります。しかし、加入している保険の種類によって補償範囲や賠償の負担額に大きな差が生じます。

日本では、自動車やバイクを運転する際に**自賠責保険(強制保険)**への加入が法律で義務付けられていますが、これは最低限の補償しか提供しません。一方で、任意保険に加入している場合、より広範な補償を受けることができます。本記事では、自賠責保険のみ加入している場合と、任意保険にも加入している場合の賠償の違いを詳しく解説します。


1. 自賠責保険(強制保険)の補償内容

(1)自賠責保険の目的

自賠責保険は、交通事故の被害者を救済することを目的とした最低限の補償制度であり、対人賠償のみを対象とします。そのため、物損事故(車両修理費など)や加害者自身の補償は一切含まれません。

(2)自賠責保険の補償上限

  • 死亡事故:最大3,000万円
  • 後遺障害:最大4,000万円(等級により異なる)
  • 傷害(治療費・休業補償など):最大120万円

(3)補償対象

  • 被害者の治療費・慰謝料・休業損害
  • 死亡した場合の葬儀費用・逸失利益
  • 後遺障害が残った場合の障害等級に応じた補償

(4)自賠責だけでは不十分な理由

自賠責保険はあくまで「最低限の補償」であり、支払い上限があるため、重大事故の場合には補償が不十分になる可能性があります。 例えば、以下のようなケースが考えられます。

① 交通事故で重傷を負わせた場合

  • 被害者が長期入院し、治療費が300万円かかった場合
    → 自賠責の上限120万円を超えた180万円は加害者の自己負担になる。

② 交通事故で死亡させた場合

  • 被害者の遺族が損害賠償請求を行い、裁判で1億円の賠償が確定した場合
    → 自賠責の上限3,000万円を超える7,000万円は加害者の自己負担

2. 任意保険の補償内容

(1)任意保険の目的

任意保険は、自賠責ではカバーできない高額な賠償金や物損事故、加害者自身の治療費などを補償するためのものです。日本の法律では加入義務はありませんが、ほとんどのドライバーが加入しています。

(2)任意保険の主な補償内容

  • 対人賠償保険(自賠責保険の上限を超えた分を補償)
  • 対物賠償保険(被害者の車・建物などの損害を補償)
  • 人身傷害補償保険(運転者や同乗者の治療費を補償)
  • 車両保険(自分の車の修理費を補償)
  • 弁護士費用特約(示談交渉や裁判費用を補償)

(3)任意保険の補償上限

多くの任意保険では、対人・対物賠償は無制限で設定できます。これにより、どんなに高額な賠償命令が出ても、自己負担が発生しません。


3. 自賠責のみ vs. 任意保険ありの賠償の違い

(1)物損事故の場合

加入状況物損事故の賠償
自賠責のみ補償なし(加害者が全額負担)
任意保険あり対物賠償保険で補償(無制限も可)

例:

  • 加害者が被害者の車(時価300万円)を全損させた場合
    自賠責のみでは1円も補償されず、加害者が全額負担。
    任意保険の対物賠償に加入していれば全額保険適用で負担なし。

(2)被害者が重傷・死亡した場合

加入状況被害者への賠償
自賠責のみ上限120万円(傷害)・3,000万円(死亡)
任意保険あり超過分もカバー(無制限可)

例:

  • 被害者が死亡し、裁判で9,000万円の賠償命令が下った場合
    自賠責のみなら3,000万円しか補償されず、6,000万円を加害者が自己負担。
    任意保険の対人賠償があれば、全額保険でカバー可能。

(3)加害者自身の治療費

加入状況加害者の治療費
自賠責のみ補償なし(自己負担)
任意保険あり人身傷害補償でカバー

例:

  • 加害者自身が事故で入院し、治療費が200万円かかった場合
    自賠責のみなら全額自己負担。
    任意保険の人身傷害補償があれば、保険適用で自己負担なし。


自賠責保険だけでは補償が圧倒的に不足する

  • 対人賠償の補償額が低く、高額な賠償請求があると自己負担が発生する。
  • 物損事故は一切補償されないため、相手の車や建物の修理費はすべて自己負担。
  • 加害者自身の治療費や車両の修理費も補償なし。

任意保険があれば経済的負担を大幅に軽減

  • 対人・対物賠償は無制限に設定可能で、どんなに高額な請求でもカバーできる。
  • 自分のケガや車両の損害も補償可能。
  • 示談交渉や弁護士費用も補償され、事故後の負担が大幅に軽減。

 交通事故のリスクを考えると、任意保険への加入は必須。自賠責だけでは万が一の時に経済的な大打撃を受ける可能性が高いです

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