うつ症状なら、どうして鍼が効くの?
鍼灸治療がうつ病に対してどのように働くか、そのメカニズムはまだ完全に解明されていませんが、いくつかの提案されているメカニズムが存在します。
まず、鍼灸が脳内の神経伝達物質の調整に関与していると考えられています。うつ病ではセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の異常が関与していることが知られており、鍼灸がこれらの神経伝達物質の調整を促す可能性があります。
研究では、鍼灸がセロトニンやノルアドレナリンの放出を増加させる作用を持つことが示唆されています。これにより、鍼灸がうつ病における神経伝達物質のバランスを正常化し、うつ症状の緩和に寄与する可能性があります。
さらに、鍼灸は自律神経系に働きかけることで、交感神経と副交感神経のバランスを改善する効果があります。うつ病では自律神経の乱れがみられることがあり、交感神経の過剰な興奮や副交感神経の低下が関与しているとされています。鍼灸は刺激を通じて神経反射を引き起こし、自律神経の調整を促すことが報告されています。これにより、鍼灸がうつ病における自律神経のバランスを正常化し、心身のバランスを回復させる可能性があります。
また、鍼灸はストレス応答を軽減する効果があるとされています。うつ病ではストレスが症状の悪化に関与していることが知られており、鍼灸がストレス応答の緩和に寄与することでうつ病の症状を軽減する可能性があります。研究では、鍼灸が副腎皮質ホルモンであるコルチゾールの分泌を調節する作用を持つことが示されています。
これにより、鍼灸がストレスホルモンのバランスを調整し、うつ病に関連するストレス応答の改善に寄与する可能性があります。また、鍼灸は交感神経系の過剰な活性化を抑制し、副交感神経系の活性化を促すことで、心身のリラクゼーション効果をもたらすとされています。これにより、うつ病に伴う不安や緊張の軽減に寄与する可能性があります。
さらに、鍼灸は血液循環を促進する効果があります。うつ病では脳の血流が低下していることが報告されており、鍼灸が血液循環の改善を通じて脳に酸素や栄養を供給し、脳機能の改善に寄与する可能性があります。血液循環の促進により、栄養素や酸素が十分に供給され、脳細胞の活性化や修復が促進されると考えられています。
以上のようなメカニズムが鍼灸治療のうつ病への効果に関与しているとされています。ただし、鍼灸治療の効果やメカニズムには個人差があり、一人ひとりの状態や反応によって異なる場合があります。また、鍼灸治療は他の治療法と併用される場合もあります。適切な診断と治療計画を立てるためには、経験豊富な鍼灸師や医師との相談が重要です。
健康堂は開業16年以来、数多くのうつ症状・うつ病・パニック障害の方が来院されてます。
初診の方ももちろん、再診の方にもしっかり問診を行い、東洋医学的な脈診、腹診も加え、患者さんの症状の度合いを判断し、急性期・回復期・再発予防期など、その段階に合わせて最適な施術とアドバイスします。
特に、鍼灸治療は中等度以上のうつ病、 またはうつ症状に対して効果的であり、 その効果は年代や性別、疾患の種類などにより大きな違いはありません。 また、治療の目安としては、まずは1週間に 1回程度の治療を 10回程度 (3週間以上) 受けることをお勧めします。
治療方法は、症状の種類によって異なりますが、 うつのみであれば、 手足や顔、 頭のツボなど10箇所程度、治療時間は、 50~60分です。 鍼の苦手な方にも、刺さない接触鍼(てい鍼)、心地良い温灸治療の用意もあり、心配することがあれば、いつでも担当の鍼灸師とご相談ください。
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