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うつ症状・うつ病

うつに関する9つの質問

1) 抑うつ気分である
2) 興味または喜びを喪失している
3) 食欲の減退あるいは増加、体重の減少あるいは増加がある
4) 不眠あるいは睡眠過多である
5) 精神運動性の焦燥または制止(沈滞)がある
6) 易疲労感または気力の減退がある
7) 無価値観または過剰(不適切)な罪悪感がある
8) 思考力や集中カの減退または決断困難がある
9) 死についての反復思考、自殺念慮、自殺企図がある


なお、医師は以下の条件を満たすものをうつと診断しています。

 ① 1と2に少なくても1つ 「YES」 がある
 ② 1から9のうち 「YES」 が合計5つ以上ある
 ③ 症状が殆ど一日中、 殆ど毎日あり、2週間にわたっている
 ④ 症状のために著しい苦痛または社会的?職業的な機能障害を引き起こしている

  • うつ病はどのような経緯を辿りますか?

    急性で生じたうつ病のエピソードは1年以上持続することはなく、 その80~90%は特別な治療をしなくとも2年以内に寛解すると言われています。 再発傾向の強い症例ではストレスとの関係は少なく、 青天の霹靂のごとく再発することがあります。

    一方、うつ病発症前に気分変調性障害のある人ではそうでない人より再発の危険性は大きいとされます。また、 数週間または数ヵ月に亘りじわじわと発症してくるタイプがあります。

    この場合は、不安、 易刺激性、 快楽追求能力低下、 集中力減退が前駆状態としてあると言われています。

  • うつ病の経過・段階

    うつ病は診断を受けてから回復するまでに時間がかかるのが一般的で、その過程は、急性期・回復期・再発予防期の大きく3つの段階に分けられます。それぞれの期間は人によって異なりますが、ここではごく典型的な経過と目安となる期間を紹介します。

  • 急性期(診断~3カ月程度)

    うつ病の診断を受けてから、十分な休養をとりながら適切な薬物治療を開始することで、1~3カ月ほどで症状が軽快(症状が軽くなること)するのが一般的ですが、人によっては半年以上かかるケースもあります。抗うつ薬による治療は少量から様子をみながら開始し、徐々に増量して治療に必要な量を処方することになります。効果が現れるまでには時間がかかりますから、焦らないで薬物治療を継続してください。急性期は休養がなによりも大切ですので、主治医の指示に従って、できるだけストレスの原因から離れて休養に専念しましょう。

    急性期(診断~3カ月程度)

    回復期には、調子がよい日の翌日にまた悪化するといったように症状が波のように上下しながら一進一退を繰り返し、徐々に改善していきます。調子のよい日が続いたからといって、「もう治った!」と勝手に判断して無理をしたり、薬を止めてしまったりすると、症状が悪化して回復までに余計に時間がかかってしまうこともあります。焦ることなく薬物治療を続けましょう。 休職して治療を続けている方はある程度調子がよくなると職場復帰を焦りがちです。急性期よりもだいぶ気分が楽になって家庭でゆっくり過ごすことはできますが、職場に戻って以前のように働きはじめるには時期尚早です。少しずつ、無理のない程度に散歩をしたり図書館に行ってみたり昼間の活動量を増やしながら、生活リズムを整えていく時期です。また、うつ病になった当時のことを振り返ってみて、再発を防ぐためにはどうしたらよいか、主治医と話し合いながら社会復帰後の過ごし方について考えておきましょう。

    復職にあたってはリワークプログラムなどを利用して、徐々に就業リズムに体と心を慣らしていくとよいでしょう。復職してもしばらくの間は就業時間を減らしたり、負担の少ない部署に配置転換してもらったり、職場での協力は欠かせませんから、主治医と復職の相談をする際には上司にも同席してもらえることが理想です。主婦の方が家事に復帰する際にも復職と同様に段階的に少しずつ仕事量を増やすようにします。同居する家族にも協力してもらいながら、無理なくできることを少しずつこなしていくようにしましょう。

    再発予防期(薬物治療:1~2年)

    回復期を過ぎ、症状が安定して社会復帰を果たすことができても、まだまだ油断はできません。うつ病は再発しやすいという特徴があるため、回復期を過ぎても1~2年間は薬物治療を継続してうつ病の再発を予防しながら調子のいい状態を維持する必要があります。勝手に薬を飲むのを止めてしまうのは禁物ですが、飲み忘れにも注意が必要です。
    薬を止める際には、かならず主治医の指示に従ってください。自分の判断で急に薬を飲むのを止めてしまったり薬の量を減らしてしまったりすると、めまいやふらつき、吐き気、嘔吐、倦怠感などが生じるおそれがあるからです。
    そして、うつ病になってしまった原因をもう一度考え直して、環境調整を心がけましょう。また、調子が悪くなりはじめる際にどんな症状(サイン)がみられるか、家族や周囲の人たちと話し合っておくことも大切です。再発のサインは人それぞれですが、気分の落ち込みやイライラ感、不眠など、はじめにうつ病になった時の症状とほぼ同じです。自分では気づかない再発のサインが出ていた時に注意してもらえるようお願いしておくとよいでしょう。

  • うつ病の治療

  • ① 十分な休養

    うつ症状・うつ病

    うつ病の治療ではくすりと並行して、十分な休養をとることが大切です。責任感の強い患者さんは、仕事を休んだり、家事をやらないことは悪いことだと思い、なかなか休みをとろうとしません。
    しかし、精神的にも身体的にもストレスがかかった状態では、十分な治療効果は期待できません。ときには休職という選択が必要なこともあります。医師が、患者さんに休職が必要だと判断した場合は、どの程度の期間必要か、全体的な見通しについてご家族が医師から説明を受け、「今は休んでほしい」という思いを患者さんに伝えてあげてください。休むことが悪いことだと思っている患者さんにとって、ご家族から「休んでほしい」といってもらえることは、こころの負担を軽くします。
    女性の場合、家族の食事、掃除、洗濯、子どものことなど、何かと気になってゆっくり休むことができません。そんなときには、入院というのも1つの選択です。患者さんに抗うつ薬の効果が認められ、症状が安定するまでの間、入院して治療以外に何もしなくてもよい環境をつくるという選択もあります。

    ② くすりによる治療

    特に精神科のくすりに抵抗感をもっている方もいるかもしれませんが、うつ病もほかの病気と同じようにくすりによる治療で、からだの中の異常を修正することが必要です。うつ病には医師から処方される「抗うつ薬」という種類のくすりが有効であると考えられています。

    ③ 精神療法(心理的治療)

    うつ病の精神療法は、特に「ぶり返し」を予防するために効果があります。精神療法の中の「認知行動療法」は、うつ病の患者さんによくみられる「否定的な思考パターン」を、専門的な知識と経験をもつ医師との話しあいなどによって客観的に整理し、「より柔軟な思考パターン」にしていこうというものです。周囲の人から考え方についてあれこれいわれても、素直に受け入れられにくいのですが、医師からうつ病を引き起こさないための方法としてアドバイスしてもらえると、患者さんにも受け入れてもらえるかもしれません。

    ④ その他

    休養や薬治療、精神療法などで効果が認められない患者さんもたくさんいます。
    その場合、上記の以外の治療法として、運動療法、漢方療法、鍼灸治療など行うことがあります。これらの治療には、ある程度の効果が確認されているものが多いため、薬物療法や精神療法と併用療法しながら行うことをおすすめします。

  • うつに対して鍼灸治療は効果的ですか?

    鍼灸治療もうつに対する治療としてよく用いられています。しかし、鍼灸治療に本当に効果があるのか、どんなタイプに効果があるのかなど、誰にも聞けないうつ病に関する鍼灸治療の疑問をまとめてみます。

Q1、治療はうつの治療として有効ですか?
A1、うつに関して調査した 93%の論文でうつの改善が認められています。そのため、うつに対して鍼灸治療は有効です。

Q2、うつの程度により効果に差はありますか?
A2、うつの程度としては、HAM-Dで中等度以上に効果があり、重症でも効果があります。なお、軽症に関しては調査が少ないため、鍼灸治療の効果は明確ではありません。

Q3、性別により効果に差はありますか?
A3、性別を区別して行われた研究が少ないため、性差の違いについては明らかではありません。

Q4、年齢により効果に差がありますか?
A4、30代以上の全ての年代でうつの改善が認められています。ただし、30代以下の研究は殆どないため効果は不明です。

Q5、うつの種類で効果の差がありますか?
A5、うつ病でも、妊娠中?産後のうつ、PTSD、脳卒中後のうつなど、どのタイプのうつでも改善が認められています。

Q6、鍼灸治療のみの治療が良いですか?薬と併用したほうがいいですか?
A6、薬物単独で治療を行うよりは、薬物に加えて解治療を併用した方がうつの改善がよいとされています。

Q7、罹病年数で効果に差はありますか?
A7、罹病年数による効果に差はありません。羅病年数の長さに関わらず利用できます。

Q8、鍼灸治療はどんな方法でどんな場所にしますか?
A8、うつの治療では、鍼、灸か鍼通電が行います、場所は頭や顔面部のツボ、手足のツボに概ね6~12ヵ所程度。ただし、症状などに応じて治療方法や部位は若干変わります。

Q9、鍼灸治療は何回程度行う必要がありますか?
A9、効果がある鍼灸治療を行うには、治療回数は 10回程度、治療期間は3~6週間位、治療頻度は毎日~週1回程度と考えてください。治療時間は概ね 40分から1時間です。ただし、症状の程度により治療回数や治療時間は若干異なります。

Q10、鍼灸治療に副作用はありますか?
A10、鍼灸治療の副作用として多いものは、不眠、疲労感、吐気、頻脈、過眠などです。また、血腫が2%、鍼後の違和感が 15%程度認められます。ただし、うつは元々多彩な症状を呈することか症状の変化も多く、他の治療法と比べて副作用が多いわけではありません。

Q11、どんな方に鍼灸治療はお勧めですか?
A11、うつのお薬をもらっても効果が認められない方は勿論のこと、お薬に抵抗がある方、うつ以外の肩こりや腰痛など、色々な症状を持っている方にお勧めです。なお、医師に紹介した方が良い場合には、適宜医療機関への紹介をさせてもらいますので、お気軽にご相談ください。

  • 健康堂の治療法

    うつ症状・うつ病

    開業15年以来、数多くのうつ症状・うつ病の方が来院されてます。
    初診の方ももちろん、再診の方にもしっかり問診を行い、東洋医学的な脈診、腹診も加え、患者さんの症状の度合いを判断し、急性期・回復期・再発予防期など、その段階に合わせて最適な施術とアドバイスします。

    特に、鍼灸治療は中等度以上のうつ病、 またはうつ症状に対して効果的であり、 その効果は年代や性別、疾患の種類などにより大きな違いはありません。 また、治療の目安としては、まずは1週間に 1回程度の治療を 10回程度 (3週間以上) 受けることをお勧めします。
    治療方法は、症状の種類によって異なりますが、 うつのみであれば、 手足や顔、 頭のツボなど10箇所程度、治療時間は、 50~60分です。     鍼の苦手な方にも、刺さない接触鍼(てい鍼)、心地良い温灸治療の用意もあり、心配することがあれば、いつでも担当の鍼灸師とご相談ください。

  • まとめ

    うつは「心の風邪」 と言われるように誰にでもおきうる病気 (状態) です。 うつに対しては薬物治療や精神療法が中心にありますが、 それらの治療に抵抗がある方は、 鍼灸治療を利用することもお勧めできます。 鍼灸治療は、 うつに対して効果的であることが確認されており、副作用も少なく、 安心して行うことが出来る治療です。 是非、 ご遠慮なく健康堂までご相談下さい。

    参考資料:明治国際医療大学 鍼灸学科 臨床学講座